採集記　２０００年１１月２３日（木）　山梨県

４ヶ月ぶりの韮崎だ。
オオクワ狙いの材割りである。
ネットで知り合ったヤングパンチさんにお願いして同行していただいた。
１０時に待ち合わせだ。

かみさんと３娘は近くのＳＨ＆ＳＳ邸に遊びにいった。
ＳＨ＆ＳＳは昔からの友人で最近家を新築したのである。

そんなわけで俺とヤングパンチさんは、オオクワ目指してＧＯ！

【第１ポイント】

意外と奥に広い雑木林 夏の雑木林もいいが、乾いた澄んだ空気を吸いながら 落ち葉を踏みしめて歩くのも気持ちがいいものである。

おなじみの巨大台場クヌギ

出た！　オオクワか!?　　まあまあ、あわてずに。 根っこのジメジメにいたし、雰囲気からしてコクワだろう。 リリース	冬眠中のスジクワガタのチビ♂新成虫

別の採集者に会った。
韮崎ではめずらしいことではない。

別の採集者：「採れますかぁ〜」
　　　　　　俺：「いや〜、ダメっすね〜」
別の採集者「自分は甲虫全般が好きで、オオクワ採れなけりゃマイマイカブリとか欲しいんですよ。」
　　　　　　　「でも２年前に採集した幼虫を飼育したらオオクワの♀になりましたよ。」
　　　　　俺：「へえー・・・（やるじゃねえか）」

オオクワがいるらしき朽木はなかなか見つからない。
早くも疲れてきた・・・

しばらくするとヤングパンチさんが
「こんなのいましたよ。」

さっきの人が欲しがってたマイマイカブリだ 「おーい・・・、あれもういない・・・」

結局ここではオオクワには出会えず。　(T_T)
さて、次のポイントだ。

【第２ポイント】

地元のおじさんに出会った。
さっそくなんか言いたそうである。

おじさんは過去のいろんな採集者を思い出しながら、
「あんたらもクワガタか？　まったくしようがねえなぁ。」
「この木もあの木もみんな持ち主がいるんだ。　枯らせやがって！
　しかも農作業をやってる目の前で勝手に採集を始める奴がいる。
　挨拶もできねえ奴がいるから以前怒ったことがある。　俺がお前の家の庭に黙って入ったらどう思うんだ！ってな。」

おじさんの言う通りだ。　人の土地へ勝手に入っているという認識を持たないと、楽しいはずの採集が台無しになってしまう。
ま、このおじさんも話し好きでひと通りしゃべったらすっきりしたようで、「ま、せいぜいがんばれや」だと。
ヤングパンチさん：「ここへ来るといつもあのおじさんに会うんです。いつも同じ話をするんです。」だって。

さて、オオクワオオクワと・・・

こんなのを見れば削らぬわけにはいくまい。 しかし堅すぎて削れたもんじゃない。 透かして見たいなぁー

えっ？　オオクワ？
さあ、次、次！

【第３ポイント】

山々が晩秋の夕日に映えて美しい

	左上写真のように台場クヌギはないのだが・・・ ご覧のように樹液ダラダラ期待の木がとても多い。 おもしろそうな林だ。

ここで削れそうな朽ち木を発見！

いるいる　オオクワだといいけど・・・	でもすぐ隣にはこの人が・・・

時計を見ると４時、辺りも暗くなってきた。
これにて終了！

本日の成果（オオクワみたいなノコみたいなコクワみたいな幼虫）
ヤングパンチさん　４頭（コクワ♂１付き）
ヤマト　　　　　　　　３頭

オオクワになることをちょっぴり期待して大事に育ててみよう。

オオクワだと確信が持てるものには会えなかったが、ヤングパンチさんとの１日はとても楽しく、勉強になることが多かった。
採集はもちろん、飼育の方もかなりのレベルで、ゼリーや菌糸ビンも自前だそうだ。
小さい頃から毎年採集してるのでオオクワの存在は特別なものではないらしい（うらやましすぎる）
仲間内で集まってて、「さてと暇だなぁ、クワガタでも採りに行くか」ってなノリで行くそうだ。
「オオクワ採れたぞ。　誰も持ってく奴いねえか、じゃ逃がすか。」だって・・・（うらやましすぎる）

とにかく自然な採集で、洞に逃げたオオクワがいても「よし、また後で来るか」である。
こういう採り方をしていればいつまでもオオクワと会うことができるだろう。
マナーの悪い採集者に聞かせてやりたい。
煙幕を突っ込んだり、木を削ったり、切り倒したり、そんな信じられないアホなことをしなくても採れる人には
採れるのである。

「ねえ、ヤングパンチさん、周りに家もたくさんあるし夏になれば近所の人たくさん採集に来るでしょ。」
「いやぁ、この辺の人は家にいれば飛んできますからね。わざわざ採りに行きませんよ。
　この間も知人に『クワガタ欲しけりゃやるぞ、網戸にたかってる。』って言われちゃいました。」だって。

さすが韮崎、自然の豊かさ、深みが違う。
厚い人情、豊かな自然、本当にいい所だ。

ヤングパンチさん、おつかれさまでした。
ありがとう！
また行きましょう！

妻子が待つＳＨ＆ＳＳ邸まで送ってもらった。
Ｓ家で風呂を借り、ごちそうまでいただいてゆっくりさせてもらった。
「お世話になりました。」

帰るとき外へ出るとたくさんの星がきらめき、東の空にはオリオン座が輝いていた。

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